アスペルガーとカサンドラ症候群とは|一緒に悩まないための方法

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カサンドラ症候群という言葉をご存知ですか?障害を持つパートナーから受けるストレスによって自分自身も気が病んでしまうことで、近年深刻な心の病みとして注目されています。支える人の精神的に負担を理解してくれる人が少ないからこそ起こる心の病を知ってください。障害に悩むのは本人だけではありません。

カサンドラ症候群とは

『カサンドラ症候群』とは、アスペルガー症候群(自閉性スペクラム障害の一つ)の配偶者やパートナーに見られる精神的・身体的苦痛な症状を総称したものです。


代表的な症状は、

  • うつ状態

  • 情緒が不安定になる

  • 睡眠障害

  • 食欲不振

があります。


しかし、アスペルガー症候群と違って医学的には正式には認められておらず、病院で診断として下りることはありません。


アスペルガー症候群は男性が多いため、カサンドラ症候群は女性がなることが多いと言われています。


しかし、最近では男性のカサンドラ症候群も同じくらい注目されるようになりました。

カサンドラ症候群の主な症状

カサンドラ症候群の症状は「精神的な症状」と「身体的な症状」どちらもあります。


精神的な症状としては孤独感、疎外感、イライラ、落ち込み、不安、自己否定感、感情鈍麻(感情が表れづらくなること)などがあります。


身体的な症状としては、頭痛、食欲低下、あるいは暴食による肥満、睡眠障害、便秘、下痢などの腸内疾患などが主に挙げられます。


どれもストレスからくる症状で、精神的な苦痛が原因です。


アスペルガー症候群のパートナーに日常的に罵倒されたり、否定されたりすることが原因だと言われています。


だんだんと「相手がおかしいのではなくて、できていない自分がダメなのでは」と思うようになり、自分に自信がなくなっていく傾向があります。


また、周りに相談しても理解されず、共感してもらえないことで孤独感や疎外感を感じ、助けを求めることが難しくなってしまうことも多くあります。

『カサンドラ』って?

カサンドラ症候群の「カサンドラ」はもともと、ギリシャ神話に登場するある王女の名前からきています。


カサンドラ王女は、太陽の神アポロンと愛し合い、アポロンから未来を予知する力を授かります。


ですが、その予知能力を使ってアポロンと破局する未来を知り、彼の愛を拒否してしまいます。


怒ったアポロンは彼女に今度は「未来を予知しても誰からも信じてもらえない」という呪いをかけてしまうのです。


こうしてカサンドラ王女は、どんなに重要な未来を知ってもみんなから嘘つき呼ばわりされ、誰からも信じてもらえない悲しく孤独な末路を遂げました。


人々から信じてもらえなかった不幸な王女カサンドラの名前をとったのには、


「一見して立派なパートナーに対して、必要以上に愚痴をこぼす女性」


としてしか見てもらえず、本来の精神的苦痛を共感してもらえないという共通点があったからなのです。

アスペルガー症候群とは

『アスペルガー症候群』は自閉性スペクラム障害の一つで、コミュニケーションの障害が中核的な症状。


その人口は女性に比べて、男性が4倍程度多いと言われています。


例えば「話が噛み合わない、冗談や皮肉が通じない、見え透いた嘘をつく、空気が読めず失言が多い」などがあります。


また他者との交流は苦手ですが、知的な遅れや障害はないので、一見して障害があることがわかりにくいのも大きな特徴です。


さらに、人によっては何かの分野に長けていたり、強いこだわりがあったりすることもあり…。


特に女性にとっては、恋愛対象として魅力的に感じる場合があります。


カサンドラ症候群になる原因

アスペルガー症候群は男性に多く、相対的にカサンドラ症候群になる人の多くは女性だと言われています。


一見して障害であることがわかりにくいアスペルガー症候群の男性は、女性から見ると


「自分の世界があって素敵」

「◯◯のことに詳しくて尊敬する」


といった、憧れの男性としての魅力を発揮させることが多々あります。


ごく普通に恋人ができ、結婚に至ることも稀ではありません。


しかし、付き合って、結婚して、生活を共にしてからこそ多くの問題が発生します。


そしていつしか、アスペルガー症候群を抱えた本人ではなく、パートナーの方が疲れ果ててしまい…。


カサンドラ症候群と呼ばれる症状に悩まされることになってしまいます。

日常的に積み重なるストレス

カサンドラ症候群は突発的に発症するものではなく、長い時間をかけてじわじわと症状が出てくるものです。


アスペルガー症候群であるパートナーと過ごす日常の中で、繰り返し繰り返し精神的な傷が積み重なり、心身ともに健康的なバランスを崩してしまうためです。


具体的には

  • 「アスペルガー症候群の彼の言葉に傷つく」

  • 「冗談が通じず理不尽にキレられる」

  • 「気持ちの共有ができないので孤独を感じる」

  • 「感情より効率を優先させられ、自信をなくす」

などです。


知的には障害がないばかりか、感情的になると言葉巧みに相手を責めることができるほど頭が良い人も多いので…。


アスペルガー症候群のパートナーは理論攻めにされてやり込められてしまう女性が非常に多いのです。


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誰からも信じてもらえない孤独感

カサンドラ症候群の主な特徴の一つに、「周りに苦労を訴えても信用してもらえない」というのがあります。


あくまで障害を持っている、診断されているのはパートナー自信。


周囲の人やパートナーからは、「一緒にいるんだから支えて当然」だと言われてしまいます。


それこそアスペルガー症候群を持つパートナーは周囲から見て”立派な人”だと思われがちなので…。


立派なパートナーに対して、必要以上に愚痴をこぼす人」としてしか見てもらえません。


仮に悩みや愚痴を相談したとしても、本来の精神的苦痛を共感してもらえないという不信感が余計に心のプレッシャーとなり、病んでしまうのです。


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アスペルガー症候群を持つ人との結婚は避けた方が良いのか

カサンドラ症候群は、元から存在するわけではなく、あくまでも”二次障害”です。


そしてネックなのは愛する相手にも悪気はなく、障害であるということ。


「この人がいなければ、自分は苦しむことがなかった」と思うかもしれません。


しかし、相手に惹かれ愛しているのであれば互いに折り合いをつけ、関係を維持できる方法を考えなくてはなりません。


大切なことは、お互いにその人自身を責めたり憎んだりするのではなく「何かそうせざるを得ない理由がある」と仮定することです。


アスペルガー症候群の場合は障害こそが敵です。本人も苦しんでいることがあります。


パートナーならば、二人の問題として捉えていくべきことなのです。


カサンドラ症候群にならないための対策法

残念ながら、カサンドラ症候群の状態に陥らないために「こうすれば絶対大丈夫」という対策は存在しません


あくまで二人の関係に合った方法を編み出していくより他にないのです。


もちろん、カサンドラ症候群を発症していて「これ以上はパートナーとしてやっていけない」と感じるのであれば別れる道もあるでしょう。


しかし、これからなる可能性のある人は、できる限りストレスを回避させることで予防が可能です。


今から回避できるものは回避しましょう。今のループからいち早く脱却を試みてください。

付き合うパートナーを見極める

まず第一にできることは、これから深い関係になる『パートナーを見極める』ことです。


見極めるといっても「障害があるかどうか」ではなく、魅力的だと感じた相手に対して『自分の求める付き合いができるかどうか』をチェックするのです。


一番手っ取り早く、チェックしておいた方が良いのが相手の「共感力」です。


一見相談に乗ってくれているようでも、物理的なことしかアドバイスされない場合は要注意です。


「辛いね」「頑張ったね」など感情を理解してくれるかどうかを見るのがポイント。


互いに譲り合って関係を維持できる愛情があるなら、恋愛も結婚もできますが…。


大切なのは、互いに根気よく相手と付き合っていく覚悟が必要だということです。


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勇気を出して逃げ出す

もしあなたのパートナーがすでにアスペルガー症候群だと判明している場合。


そして、あなたにカサンドラ症候群の兆候がみられる場合は、迷わず逃げてください。


相手から逃げるのではなく『状況から逃げる』のです。


別れるにしても、今後関係を続けて行くにしても。


一旦物理的な距離を置き、精神的に落ち着く場所を確保するのが最優先です。


まずは今の状態から逃げて、それから対策を考えましょう。


逃げ出すことは必ずしも関係の終わりではありませんし、このままでは悪化の一途をたどるのみです。


相手への情に流され、躊躇する気持ちもあると思いますが、一旦距離をおくことで正常な判断をができるように立て直すことが先決です。


心身ともに落ち着きを取り戻してから、これからのことを専門家への受診も含めてパートナーと話し合いましょう。


重症化すれば本格的にうつ病になったり、他の重篤な精神障害を引き起こす恐れもあります。


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傾向があるなら受診を

どっぷりとカサンドラ症候群の渦中にいるわけではないけど「自分にも傾向がある」


あるいは「相手にアスペルガー症候群の傾向があるので心配だ」という人は、近隣の専門医を受診した方が無難です。


精神科のある病院であれば、最近はほとんどがアスペルガー症候群についての知識がある医師がいるはずです。


また自身で専門医を調べて、訪ねることも一つでしょう。


精神科と聞くと敷居が高いように思われがちですが…。


薬に頼るイメージではなく、アスペルガー症候群のように社会的な障害について「学ぶ」という姿勢で受診してみてください。


今後も関係を続けたいという人は「自分だけで対処する」のではなく、『専門家の知識を借りて』今の状態を見直してみましょう。


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まとめ

アスペルガー障害があるからといって恋愛ができない、結婚ができないわけではありません。


しかし、相手がアスペルガー症候群と診断されているのであれば、本人も自覚しておかなくてはなりませんし、支える努力と根気は必要です。


要は障害のあるなしに関わらず、相手を思いやることなしに関係は続かないということです。


愛し合うパートナーとして長く一緒にいたいのであれば、自分の要求ではなく相手を幸せにする方法を優先して考えましょう。


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